2022年1月下旬、国立成育医療研究センターにて出産しました♪
陣痛が始まってから約19時間。
元気な赤ちゃんが産まれるまでの無痛分娩の経過をまとめました。
- 国立成育医療研究センターでの出産ってどうなの?
- 無痛分娩って本当に無痛なの?
- 陣痛と前駆陣痛ってどう違うの?
以上のような疑問にお答えできると思います♪
成育で行われている無痛分娩について
レポを始める前に、国立成育医療研究センターで行われている無痛分娩について簡単にまとめます。
- 24時間いつでも無痛分娩に対応している(麻酔科医常駐)
- 特別な事情がない限り、自然に発来する陣痛を待ってから病院へ向かう
- 無痛か自然分娩かはLDRで最終決定できる
- 無痛処置を行わなかった場合には、無痛の費用は一切かからない
事前に受講する「無痛分娩クラス」での説明によると成育医療研究センターで行われる分娩のおよそ6割が無痛分娩。
無痛分娩を希望している人にとって「24時間対応」というのはとても心強いこと。
それもあって、元々無痛分娩の希望者が多いそうです。
(それ以外にも妊娠高血圧症などリスク妊娠の方について医療措置として無痛分娩を実施することもあるそう)
その一方で、陣痛を迎えて入室したLDRで「やっぱり自然分娩がいい!」と思ったときにはそれも可能です。
成育医療研究センターは、最大限「妊産婦の希望」に寄り添ってくれる病院でした!
もし第2子をさずかったらまた成育にお世話になりたいと心から思います。
前編【これって前駆?いや、陣痛!悶え苦しむLDR…麻酔は神!!】はこちらからどうぞ!
【促進剤投入】どんどん開く子宮口。発熱&嘔吐の始まり
6時の内診で子宮口は5cm。
7時には6cmになり、順調に進んでいるとのこと。
麻酔のおかげで痛みは全くないので、実感はあまりない。
成育のLDRは6階。
カーテンを開けてもらうと富士山が綺麗に見えました。
余裕がある間に顔や体を拭いて歯磨き。
テレビを見たりLINEで夫とビデオ通話したり、かなりリラックスして過ごしました。
友達の出産エピソードや読んだレポを思い出し、こんな穏やかな出産があって良いのか?と思う私。
大丈夫だ、この後しんどくなる。
神様はきっとそう思っていたに違いない。
二時間後、子宮口の開きが6cmのまま進まないので促進剤(アトニン)の点滴がスタート。
事前に主治医からも無痛分娩の場合は殆どのケースで促進剤を使うと聞いていたので了承しました。
促進剤は全部で10段階あって、30分毎に経過を見ながら量を増やしていくとのこと。
促進剤入れたらいきなり子宮口の開きが早まったりとかしますか!?
痛みが出たりしますか!?
不安丸出しな私に、助産師さんと先生は丁寧に説明をしてくれます。
促進剤を投与したからといっていきなりドドドっとお産が進むケースは稀であること。
出産の目安は今のまま進めば昼過ぎくらいだと思われること。
無痛とはいえここから先は陣痛のMAX痛かった痛みを10とするなら2くらいの痛みは、張りを知っていきむために必要なこと。
事前に提出したバースプランに「不安が強いため丁寧に説明してほしい。優しくしてください」と泣き言を書いていたからか、それとも成育だからかは分からないけど本当にスタッフの皆さんは丁寧で優しい。
この病院なら、何があっても大丈夫だ。
心から安心&信頼できると実感しながら、促進剤の投与を受けました。
そしてこの辺りから、無痛の薬を入れるボタンを自分で押し始めるビビりな私。(ここまでは自動で出てくる量で足りていた)
1時間半後(促進剤が2段階目→3段階目になる頃)右足の付け根が痛み始める。
これがさっき助産師さんが言ってた「2の痛み」ってやつ…?
それにしては痛すぎでは?
思っている間に、昨夜の陣痛レベルの痛みが右足を襲う!
即座にナースコール!と思った瞬間に助産師さんがLDRに来てくれて、痛いと訴えるとすぐに麻酔科の先生が来てくれました。
麻酔が右半身にうまく流れてないかもとのことで「右を下にして寝てみて」というアドバイスを実践すると痛みは緩和。
麻酔がなかったらこんなに痛いの!?と驚くと共に自然分娩をした全世界中の母へ尊敬の拍手を心の中で送る。
そして、この30分後の促進剤4・5段階目くらいから記憶があまりない。
というのも、明け方から燻っていた微熱がこの辺りから一気に上昇。
とにかく暑くて、頭と両脇にアイスノンを入れて貰って発熱に耐える。
この時点で38.8℃。
麻酔のおかげで痛みはなかったけれど、発熱によるだるさと吐き気が尋常じゃない!
それでも子宮口は順調に開いていっているようで、気づいたら午後を過ぎていました。
昼過ぎくらいには産まれるよと言われていたけど、そんなことはなかった。
むしろ上から吐きまくってた。
何も食べてないので、飲んだ水を吐く。
顎マスクで吐く。(気持ち悪い)
コロナ禍なので常時マスク装着だったのですが、この頃からマスクもできなかった。
39℃を超えたあたりから強烈な寒気が来てアイスノンを全て外し、毛布を2枚貰って包まり、それでも足りずに暖房で室温を30℃近くまで上げてもらいました。
それでも寒い。
歯の根がガタガタ言うくらい震えながら、子宮口が開くのを待ちます。
ちなみにこの辺りで夫への連絡もできなくなりました。
私ができたことは、麻酔の滴下ボタンを押すことだけ!
一定時間が経たないとボタンは押せないのですが、ずっとそのボタンを握りしめていました。
ここから3時間ほど、水を飲んでは吐き、助産師さんの問いかけに答えては吐き……。
ほとんどLDRにいてくれた助産師さんが「少ししたらまた戻ってきます」と言っていなくなってから、あまりにも不安で巡回に来た麻酔科の先生に「一人にしないで…(ゲロゲロ)」と泣きついたりしている間に陽が暮れていきました。
【いよいよ分娩】下から!?帝王切開!?運命の選択!
大きな窓に夕日が美しく輝く頃。(そんな記憶は全くないのですが)
突然ドタバタとLDRに助産師さんと産科の先生が入ってきました。
熱は39.6℃。ぐったりしながらモニターを見ると、赤ちゃんの心拍が190近くまで上昇していました。
この頻脈具合はまずいんじゃないの?
素人の私でも分かる。
産科の先生は案の定「このまま赤ちゃんの頻脈が続くと危険。帝王切開になるかも。覚悟して!」と言いながらテキパキと助産師さん、看護師さんに指示を飛ばします。
まじか。
帝王切開の準備なんて何もしてない。
入院時の必須アイテムと言われているマジックハンドと傷跡に貼るテープ買ってきて貰わなきゃ。
そんなことをぼんやり考えている私の腕に採血の針が刺さるも、動揺が激しすぎてもはや何も感じない。
それよりも帝王切開への恐怖と、下から産めないの?という困惑が勝っていました。
子宮口全開になってるので分娩体勢とりましょう。
今から帝王切開に向けて血液検査出すけど、その結果が戻ってくるのが先か、産まれるのが先か…。
頑張ったら下から産める!
頑張ろうね、お母さん!
赤ちゃんも頑張ってるよ!
頷くのと、LDRの天井が開いてライトが降りてくるのが同時でした。
あれよあれよと言う間に両足が台にセットされ、汚れ防止の緑色のシートで覆われて、あっという間にLDRに人が集まってきます。
看護師の◯◯です、助産師の◯◯です、新生児科の◯◯です……バタバタと分娩の準備をしながら皆が挨拶してくれる。
しかも皆さん「がんばりましょうね!」とか「大丈夫」って一言添えてくれるもんだから、私は号泣して頷くしかない。
赤ちゃんを迎える準備が整い、張りが来たらいきみましょうと声を掛けられた時に「泣いていたら怒られた」というレポを読んだのを思い出して涙を拭く。
麻酔をしていても2程度の痛み(というよりは張り?)が来るのは分かるので、タイミングを合わせて呼吸をしていきむ。
成育は1回の張りで息を止めていきむのを2回行う方法。
大きく吸ってから限界まで息を止めて、そのあともう一度大きく吸って限界までいきむ。
「上手!すごくいい!」
一回いきむたびに助産師さんや先生たちがすごく褒めてくれる。
LDRにいる8〜9人の大人が口々に褒めてくれます。
あまりにも褒められるので気分は保育園児。
2、3回いきんだところで早くも「頭見えたよ!」と報告が。
もしかしてこのまま帝王切開せずに産めるんじゃない?と思い始める。
モニターを見ると相変わらず赤ちゃんの脈は180より早い。
赤ちゃんが苦しがってる。
自然と呼吸が深くなって、なんとか酸素を送らなきゃと頭の中はそれでいっぱい。
「お母さん、ちょっと頭大きいみたいだからお手伝いしますね、少し切りますよ!」
そう、うちの子頭大きいんです…!
エコーの時から頭だけ週数相当より大分大きかったのを思い出してちょっと恥ずかしくなる。
会陰切開のお陰か、そのあとまた2回くらいいきんだところで頭が全部出た。
力抜いてー!と助産師さんに体を摩ってもらっているうちに、ドゥルン!という感覚。
「お母さん足の間見てて、赤ちゃん見えるからね!」
大きく開いた足の間から、真っ赤な赤ちゃんが確かに見えた。
少ししたら泣き声が聞こえて、ちゃんと産めたんだって分かった。
10ヶ月お腹の中で育ててきた赤ちゃんが、これからは自分で頑張って生きていくよ!って言ってるみたいに力強い泣き声。
私も泣けた。
すぐ隣にあるコットで体を綺麗にして貰ってる赤ちゃん、ずーっと元気に泣いてる。
それを見てると、世界中を敵に回しても私だけはあの子を守ろうって強い決意じみた感情が胸の奥から湧き上がってくる。
そうこうしている間に抱っこの時間。
まだ股の間では先生が胎盤を出したり傷跡の縫合をしてくれているけど、もう赤ちゃんしか見えてなかった。
小さくてふにゃふにゃの体が、胸の上でおっぱいを探して動く。
生命力に溢れた温もりを抱きしめた瞬間の多幸感は言葉に言い表すのが本当に難しい。
しばらく抱っこした後は、それぞれ処置のために一度離れ離れに。
いろんな処置が終わった後、一番最後に背中に入っていた麻酔のカテーテルを抜きました。
痛いのかな?と思っていたら、いつ抜けたのか分からないうえに、あっという間に終わる。
カテーテルはとても細いので大抵の人が何も感じないそう。
全部の処置が終わった頃にはぐったり。
でも夫には連絡しなきゃな…と思ったので、一人になったLRDのベッドで「Hey, Siri」とスマホに弱々しく呼びかける。
「夫にLINE。産んだよ」
シンプル イズ ザ ベストな報告!返信は、お疲れ様、ありがとう!だったかな?
そんなこんなで、約19時間に及ぶ私の初産が終わりました。
お産は人それぞれとはよく言ったもので、確かに終わってみればどの出産レポとも違うお産だったなぁと痛感。
発熱と嘔吐に襲われる予定など全くありませんでしたが、成育のスタッフの方々のお陰で母子共に元気で翌日を迎えることができました。
ちなみに成育では母子同室・母乳育児が推奨されています。
(レビューでよく見る「母乳道場!」という感じではありませんでした)
入院生活についても、そのうち記録を残したいと思います♪
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